言葉の力

「ヒントになる言葉」の続編です。

ご紹介するのは自分の身体と心を建て直す助けになったものばかりで思い入れはきついのですが、出来るだけ修飾語を付けないようにご案内したいと思います。
もし、そういうあなたにとっての大切な「言葉」がありましたらこのコーナーで順次ご紹介したいと考えております。メールをお待ちしております。

<目次>
NO.1 空想
NO.2 こころと身体
NO.3 幸福と一生
NO.4 身を捨ててこそ
NO.5 生きる=死ぬ
NO.6 行きどまりだと・・
NO.7 耳が聞こえなくとも・・
NO.8 恨みからは・・
NO.9 未来
NO.10 シーゲル博士


<NO.1 空想:01/06/21>

「空想は意志の力より強い。重苦しい意志を持つより、素晴らしい空想をしてみることから人の夢は実現に向かい始める。」

野口晴哉(はるちか)氏の言葉。いつも歯を食いしばってきた僕の思い違いに気づきました。

<NO.2 こころと身体:01/06/28>

「すべての病の根はこころにある。人は純粋に精神的な存在である。 こころに働きかければやがて病は消える。身体にはひきづられまい。 ばかばかしきことなり。」

同じく野口氏の言葉。経験的に言ってこころが移ろいやすいものだから厄介なんです。

<NO.3 幸福と一生:01/07/04>

「どんなに地位を得ても、どんなに金をこしらえても本当の幸福を得ることは出来ない。どこまで行っても人の一生は一生。本当の幸福は絶対積極のみがもたらす。」

中村天風氏の基本になる考え方。
ここで言う「絶対積極」と言う言葉は他の誰かより頑張るとかいう単純なポジティブシンキングとは違います。どんな大変なことが身に降りかかってこようとも平常心でことに当たれるという絶対的な静かで強い気持ちの事です。実行は実に難しい。

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<NO.4 身を捨ててこそ:01/07/18>

「切り結ぶ刃の下こそ地獄なれ
   身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

僕が会社に曲がりなりにも復帰したときはまだ脳の中に切れやすい奇形血管が残っていました。これが破れる確立は年5%というのが医師の見解。それを取り除く処置(ガンマナイフという放射線治療)はしたものの結果が出るのに2年掛かりました。つまり再度切れる確立は10%ということになります。このわずか10%が怖くて仕方ありませんでした。
この歌は古の武人のものだそうですが、僕は毎日呟かずにはいられませんでした。弱虫ですね。

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<NO.5 生きる=死ぬ:01/08/8>

「今、生きているということは、死につつあるということと同じである。
人間は誰も死ぬといって間違いない。昔から死ななかった人はいない。
 それ故、10年生きたということは10年死んだということになる。
 しかし、死を見つめて生きてきた者と死を見ないように生きてきた者とは人生に対する態度が違う。
 人の死ぬことを知って生きている者はいつも人生に誠実である。
 人のいつか死ぬことを覚悟して生きる者は、養生の人である。」
(「風声明語2」より)

野口晴哉(はるちか)氏のことば。少し省略しようとしたが出来なかった。何の無駄もないことに改めて気づいた。

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<NO.6 行きどまりだと・・:01/08/30>

「皆がもう行きどまりだ
 と思っているところから
 始まっているような
 この人生の楽しさ」

掘辰雄「風立ちぬ」から。これは先日ある方から頂いた池田清彦氏の「生きる力になる言葉」からの引用です。池田氏は脳出血3回。全身麻痺ながら両手で筆をとって書 を描いておられます。その書がまた素晴らしい。発売元/星雲社 tel03-3947-1021
また、掘辰雄は著名な作家ですが若い時から結核に苦しんだ方です。

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<NO.7 耳が聞こえなくとも・・:01/09/16>

「耳が聞こえなくとも音楽家になれます。
 もし、あなたが何事かを 成し遂げたいと真剣に望むなら
 あなたを妨げるものは 何一つ存在しない。」
                 エべリン・グレニー

前回に続き、池田氏の本からの引用です。
グレニーは8歳から難聴が始まり、12歳で失聴したがパーカッションの世界的奏者となった人物。彼女は身体すべてを総動員し、オーケストラとの合奏もこなせるそうだ。
耳を失ったことで新たな能力が開花したことについて著者は共感している。僕も同感。機能が部分的に失われたくらいで「その人」の価値は変わらないでしょう。むしろそこから新しい自分の発見をすることに興味を持つ方が楽しいと思っています。

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<NO.8 恨みからは・・:01/10/01>

「恨みからは決して何ものも生み出さない」平山郁夫

池田氏の本引用の3回目。平山氏は著名な画家でありあの悲惨な広島原爆の被爆者です。最近ではシルクロードを行く三蔵法師の絵が特に有名です。
運命を変えさせられた人の言葉は重く響きます。ふと自分が病気になったことをどこかで恨んでいないかと思いました。
今、米国多発テロの問題で中央アジアが戦場になろうとしています。一方で世界的に反戦の声も高まっています。人の運命が変わるようなことが起こらないことを祈るばかりです。

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<NO.9 未来:01/10/17>

「未来を失った瞬間から人の精神は崩壊し始める。」
(フランクル/「夜と霧」より)

フランクルはナチスドイツのアウシュビッツ収容所で生き残った心理学者。戦後そこで起きたことを心理学者の目で著したのが名著「夜と霧」です。

4日前に友人が亡くなりました。50歳でした。以前の仕事でのつき合いでしたが、優しい方で誰にも好かれる好人物でした。デザイン会社の社長をしていましたがこの不況で、最近仕事がめっきり減っていたのです。

それでも8月はお元気でした。釣りを始めて毛バリの話を聞かせてくれ、楽しそうでした。9月に会うと食欲がないとこぼしていました。翌週、腹痛で入院したと聞いたのですが胆石の除去は上手く行ったと連絡もあり安心しました。ところが翌週電話をすると再入院だとのこと。でも、10月4日にお見舞いに行くと笑っていました。身体が浮腫んでいるのが気になりましたがとても元気そうに見えました。

そこで「じゃあまた来ますね。」と言ったのが最後のお別れになってしまいました。10月15日に受け取った彼の訃報は信じられないものでした。でもよく考えて見れば彼が未来を失いかけていたのは事実だと思います。お通夜で彼の遺影を見ながら「いい仕事をしたいね。」と彼が言っていたことを思い出しました。

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<NO.10 シーゲル博士:01/11/7>

「心理学者が繰り返し言っていることだが我々はこころの力を10%しか使っていない。(略) 残りの90%を利用しようではないか。科学は信じるためにはこの目で見なければならないと教えるが、信じないことには見えるものも見えてこない。」
(奇跡的治癒とは何か」/シーゲル博士)

この本には患者にとって輝く言葉に溢れている。ある方に奨められて求めていたところ偶然にも古本屋の店先で100円で売っていた。今は僕の一番大切なものの一つなった。
シーゲル博士はガンの専門医です。外科医として手術することだけが治療ではなく患者のこころの力を信じて多くの成果を上げた医師でもあります。
しばらく、ここからの言葉を拾っていきたい。

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