食事による予防の実際2(no.11-no.20)

同タイトルの続きです。
ここでは「分子栄養学」を基本に据えて僕が学んだ「生活習慣病予防」の知見や実感を織り交ぜながら日常での食事による予防の実際についてご案内致します。出来るだけ分かりやすく、実行可能な範囲でのご提案に出来ればと望んでいます。

<目次>
11.揚げ物はオリーブ油主体に
12.カルシウムは小魚から
13.カリウムはジャガイモから
14.ハム・ソーセージを食べ過ぎない
15.貧血は鉄だけではダメ
16.亜鉛不足は万病の元=ニシン・生姜・生牡蠣
17.食欲のないとき(番外篇)
18.微量元素を大切に1
19.微量元素を大切に2
20.まとめ

始めから読まれる方はこちらからどうぞ−−−> 「食事予防の実際1」

11. 揚げ物はオリーブ油主体に  01/06/01

最近よく言われ始めましたが地中海沿岸では血管障害が非常に少ないのです。調べてみるとこの地区は他の地区に比べてオリーブ油の使用がとても多いことが分かってきたようです。オリーブ油は「酸化」しにくいので、血管に悪影響を与える過酸化脂質が出来にくくなるのです。

逆に酸化しやすいのは肉・乳製品・植物の油です。特に避けたいのはマーガリンとショートニングです。ファーストフードの揚げ物や安物の国産のクッキーなどはショートニングがよく使われています。カロリーメイトは避けましょう。これらはちまたに溢れかえっていますから全てを避けるのは難しいのですが少なくとも毎日常食するのは止めましょう。

我が家では全ての揚げ物をオリーブ油にしています。最近値段もかなり下がっています。スーパーに行って確かめて下さい。高いからと敬遠していたのは過去の話です。(オリーブ油で揚げ物が調理しにくい場合はオレイン酸系の油がお薦めです。オリーブ油の主成分はこれです。)


12. カルシウムは小魚から  01/06/15

ミネラルについてお話を始めます。まずカルシウム。
カルシウムが大切なのは子供でも知っています。ではあなたは骨を作る以外の役割をご存じでしょうか?
活性酸素はほとんどの病気発生に関わる怖いものです。カルシウムはこの活性酸素が発生したことを知らせる役目をも担っています。これはカルシウムとマグネシウムの2つの働きがないと出来ません。気がついたら重病になっていたことにもなりかねません。この2つのミネラルはそういう「予防」にとっての要になるのです。

カルシウムは小魚や牛乳に入っていますが牛乳を飲み過ぎるとマグネシウム不足になります。飲み過ぎないことです。マグネシウムは濃い緑の野菜やイチジクに多く含まれます。ほうれん草やブロッコリーなどもよく食べましょう。
現代人は大半がカルシウム不足です。特にストレス・砂糖・油はカルシウムを大量に消耗します。またハムやソーセージなどの添加物に含まれるリンはカルシウムと結びついて消耗させます。多めに摂るよう心掛けましょう。

カルシウム不足は今話題の骨粗しょう症も引き起こします。カルシウムは必要不可欠 のミネラルですから不足すると頼みもしないのに身体が骨のカルシウムを勝手に使うことから起こります。中高年女性は気をつけて下さい。

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13. カリウムはジャガイモから  01/06/22

カリウムはガンが嫌うミネラルです。ジャガイモに豊富に含まれています。もちろん生野菜や果物にも多く含まれます。反対にナトリウムはガンが好むミネラルです。ですから塩分は過剰に摂らない方が良いのです。

塩分を減らすことを考えるよりもジャガイモ・生野菜・果物をきちんと摂ることを心がけて下さい。バランス良く食べることの方が大切ですから。

カリウムはむくみ対策にも効果があります。細胞の内側はカリウムが多く、外側はナトリウムが多いからです。このナトリウムは水分を含みやすい。それでカリウム不足がむくみを起こすのです。
但し腎臓病のかたは医師の指示を守って下さい。過剰摂取が問題を起こすことがあります。

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14. ハム・ソーセージを食べ過ぎない  01/06/29

現代の食生活では大半がミネラル不足ですが「リン・硫黄」は既に充分摂れています。ハム・ソーセージなどの添加物で多く使われているからです。加工食品の内容表示を一度見てみましょう。
不足どころか過剰摂取になっているせいでカルシウム不足を引き起こしてしまいます。食べ過ぎないことです。この2つのミネラルはタンパク質を充分摂っていれば良いのです。硫黄は肌を作るミネラルですからチェックして置いて下さい。

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15. 貧血は鉄だけではダメ  01/07/13

貧血で病院に行くと鉄剤が出ます。鉄は黒い便になって出ますがそうなったときは吸収されていない証拠です。鉄を吸収するためにはタンパク質・ビタミンC・銅が必要です。タンパク質は肉・魚・豆類。ビタミンCは果物・野菜。銅は青味魚(サバ・アジ・イワシなど)でしたね。
何かが足りないときにそれを補えば良いというのは機械の話です。人は生き物ですからいろんな相互作用が働いていることを忘れないで下さい。

それ以外に大切なのは「美味しく」「楽しく」「みんなで」頂くことだと思っています。どんな良い栄養素も一人で我慢して、淋しく或いは時間に追われて食べていては身に付くはずはありませんから。
これについては女性は割ときちんとしているなと思います。男性は大抵いけません。 昼食など5分くらいで一気に流し込んでコーヒーやタバコの時間を作ります。僕もずっとそうでしたからよく分かります。もうあれはやめませんか。身体を虐めるだけです。

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16. 亜鉛不足は万病の元=ニシン・生姜・生牡蠣  01/07/26

亜鉛が不足するとなりやすい症状は前立腺肥大(ガン)・脳卒中・糖尿病・花粉症・頭が悪くなるなど現代病の代表ばかりです。対策は特に「生姜」が良いでしょう。夏は冷や奴をよく食べますがその際に生姜をたっぷり添えて下さい。生姜の量と豆腐の量が同じくらいになるようにすれば良いと思います。

亜鉛が不足するとビタミンAが働きません。そうすると粘膜がうまく働きません。それで花粉症になりやすくなるわけです。ビタミン・ミネラルは相互関係がとてもあるものです。全体的に不足しないように摂ることが健康を保つコツです。他にも亜鉛はインシュリンホルモンや精液に深く関わる大切なミネラルです。

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17. 食欲のないとき(番外篇) 01/08/12

一番暑い時期は過ぎたようですが、夏の盛りは続いています。食欲は落ちていませんか?
今回は僕がしている食欲の落ちたときの対応法をご紹介します。それは「食べないこと」です。暑い時、「食べないとばててしまう」と僕自身ずっと聞いてきました。だから、ばてたと思った時はうなぎを食べたり、焼き肉を食べたりしましたが大抵はうまくいきません。余計に胃腸の具合が低下してゆくのです。

今年6月末に突然食欲不振になりました。病気をしてからもずっと薬の副作用の時以外はそういうことがなかったので多分3年ぶりの食欲低下でした。それでこれは証明するチャンスが来たと思い、食べる気がするときだけほんの少したべるようにしました。
これで4.5日たつと次第に食欲がもどり、今まで順調です。暑いので体重は2Kgほど落ちましたが、以前のように食事前にはお腹が「グー」と鳴る自然体に戻りました。以前このシリーズで「腹7分目。調子が悪いときは6分目」と書きましたが、本当に食欲のないときは水分だけ摂って、6分目も食べない方が良いと思いました。戻るのを待つことの方が結局回復が早くなるようです。

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18. 微量元素を大切に1 01/09/01

鉄や亜鉛は耳にしますがその他の微量元素(ミネラル)もとても大切です。これらは身体内で分泌ホルモンの働きに関係するからです。身体はこうした極わずかなものの働きで成り立っています。そしてこれらは全体が相互に作用して働くことが分かってきましたから、今、ビタミン・ミネラルがもてはやされているのでしょう。
サプリメントはお手軽な点は良いのですが頼り過ぎず、出来るだけ食べ物から取るように心掛けて下さい。もし頼る時は質の良いものを選ぶことが大切です。ビタミンCと鉄分だけ取れば良いというものではありません。総合的に摂取出来ることが必要です。

クロムはインシュリンホルモンには欠かせないものです。サツマイモや魚介類を食べましょう。
コバルトはビタミンB12の材料です。レバーに多く含まれます。
セレニウムはガンに効果があります。玉葱・ニンニクを食べましょう。
ヨウ素は甲状線ホルモンという大切なものに必要。ひじき・ワカメを毎日のように食べましょう。

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19. 微量元素を大切に2 01/10/03

さて、ミネラルの続きです。ミネラルが大切なことはご存じだと思います。ミネラル21種類。ビタミン18種類。タンパク質8種類。合計47種類が「命の鎖」と呼ばれるように体を強い鎖で支えてくれるのです。問題はこの鎖は一番細い部分に合わせて作られることです。ですから、一部分を沢山摂っても効果が出てこない。ビタミンCや鉄分ばかりを沢山摂ってもこの鎖は太くならないのです。そこが厄介なところです。

でもあまり神経質になることもないと僕は考えています。これは改めてまとめをしましょう。これまで出来るだけ具体的に書いてきたつもりですがここまで進んでくると頭が混乱しませんか?「じゃあ、一体何をどれだけ食べたら良いんだ?」と言う声が聞こえてきそうです。如何でしょうか?

では微量元素の最後です。摂りにくいものだけを書きます。
「モリブデン」は鞘の豆に多く含まれます。
「ヨウ素」は甲状腺ホルモンに欠かせない重要なものです。海草(ひじき・わかめ)に多く含まれます。ただ時間的にながく持たないそうです。毎日でも食べる必要が出てきます。
「リチウム」はやはり海草に多く含まれます。
「ホウ素」はリンゴに入っています。

不思議なことですが、つまり人体は地球の成分と同じなんだと感じられます。僕たちが地球を汚した分だけそれが体に跳ね返ってきているのがよく判ります。何が大切かこういうところからも分かるものですね。

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20. まとめ 01/11/16

何を気をつけて食べたら良いのか?まとめをしてみます。食材の自給率の低い日本ですから限界がありますので出来るだけとしか言いようがありません。

<出来るだけ食べる方が良いもの>
魚介類。特に青味魚(さば・いわし・さんま)や小魚(しらす干しなど)。海草類(ひじき・わかめなど)。
肉は鳥。特にレバーが良い。後は豚肉。牛肉はお薦めできない。高いし月に一度の焼き肉くらいが我が家の習慣です。後のタンパク質は豆類か豆腐などで摂るようにしています。食肉は全般に抗生剤などで汚染されているので信用できる農場産のものを求めて下さい。魚介の中でもエビなどはかなり抗生剤が入っているようです。

卵は有精卵。油は出来るだけオリーブ油。芋類はジャガイモ。サツマイモ。玉葱・ニンニク。生姜。そして当然ながら緑黄色野菜。果物(リンゴは医者要らずで特にお奨め)。 野菜も果物も出来るだけ有機栽培もの(駄目でも低農薬もの)を使って下さい。そして何より「旬」のものを中心に食べましょう。

外食は少な目にして自宅での食事を心がけましょう。
我が家で求めている基本野菜は以下のネット販売で購入しています。土のついた野菜をいつも送ってもらっています。他にも探したら色々ありますよ。
ぶどうの木

<出来るだけ避ける方が良いもの>
まず電子レンジ。ハム・ソーセージ。サラサラの薬は飲まない−風邪薬・胃薬など。もちろん安い輸入野菜は少な目に押さえるべきだと思っています。将来はこういうものも安全性が重視されるようになるでしょうが、今現在はかなり心配な内容でしょう。まだ、僕は信用していません。

米国では、日本産の野菜と中国産のものにかなりの価格差があるのをご存じでしょうか? 特に食事療法の現場では何倍どころか何十倍もの差がついています。それだけ出しても日本産のものは価値があると合理的な西洋人も認めています。

ここまでに書いていませんが「栄養ドリンク」はほとんど効果なし。僕の身体で実証済み。カフェインが含まれているので「気分」はハイになるでしょう。でも元気になった気がしてかえって身体が鈍くなり、大病に気がつかない−という悲惨な結果になるかも知れません。どうしても飲むなら総合ビタミン・ミネラル(栄養)剤が適切。


シリーズ/「食事の実際」はこれで一旦終わらせて頂きます。今度は新たに栄養素やカロリーでは測れない「食材のエネルギー」について順次ご案内していきたいと考えています。ここまでおつき合い頂きありがとうございました。 ではまた

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食事予防の実際1

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